「赤毛のアン」の島へ

プリンスエドワード島旅行記


飛行機の窓から観たプリンスエドワード島

(写真をクリックすると詳細な写真を表示します)

New Brunswick 州の Bouctouche から
プリンスエドワード島の West Point を望む

プリンスエドワード島の West Point から Cap Egmont
Baie Egmont Bay

全長13kmの Confederation Bridge が見えてきた
プリンスエドワード島からニューブランズウィック州に渡る橋

橋の付け根の右側は Gateway Village PEI名物の赤土の断崖と紅白の灯台 島のほとんどは自然というよりも、ほぼ開墾されつくされてる
紅白の灯台と臨海の住宅 滑走路をUターンして駐機場へ Welcome to Prince Edward Island

地図

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2008/8/26 火 晴れ(関空)曇りのち雨(バンクーバー)

 関空へ向かうリムジンバスの車中で携帯電話がなった。HISの担当者からだ。バンクーバー行きの17:25のフライトが大幅に遅れて20:00の出発となるというもの。乗り継ぎ便(バンクーバーからトロント行き)の変更手続きがあるので早めにチェックインカウンターに行って欲しいというものだった。

 数年前のバンコック行きのタイ航空を思い出した。その時も数時間待たされた。今回はコンピュータが立ち上がらないというシリアスな問題ではなく、カナダからの到着便が遅れたため折り返し便も遅れているというものである。

 14:50からのカウンター受付に30分ほど並んで待った。フライトの遅延予測については何も表示されていなかったが、チェックインが始まる頃になって20:00発に遅延することが表示されるようになった。

 チェックインもスムーズで乗り継ぎ便(バンクーバーからトロント行き)の変更と発券もこのとき済ませることができた。しかし、変更された時間をよく聞いて交渉するべきだった。なんと、乗り継ぎ便は、AC132で17:30発である。乗り換えの待ち合わせが4時間もある。待つことよりも、トロント到着が夜中の0:55になるのである。

 関空のインターネット端末からホテルに到着時間の遅延を報告しようとしたとき、いっそうホテルをキャンセルしようかとも思った。到着から8時間後にシャーロットタウン行きの飛行機に乗るのである。しかも、料金の高いシェラトンの空港ホテルである。

 しかし、長いフライト2回(9時間半と4時間半)と長い待ち時間、あるいは8月の半端でない休暇なしの忙しさで我々は疲れていた。風呂に入って、せめて5時間でも横になられれば披露はだいぶん違うと判断した。

◎チェックイン時に預けるバッグについて

 以前、北米便は30kg制限ということが頭の中にあったが気になって確認した。重量は23kg制限となっていた。これは問題ではなかった。実際私の往路の荷物は15kgだ。問題はサイズ。縦横奥行きの三辺の合計が158cmという制限ができていたのだ。エアカナダに問い合わせたら車輪や突起物も含めてとのこと。しかも超過したときは、一回の目的地まで毎に120カナダドルの超過料金を取られる。私の場合、5回と計算されるから600カナダドルにもなる。

 しかも、私が今後利用しそうな KLM なども158cm制限があるし、たとえビジネスクラスでも158cmサイズである。かくして、旅行二日前の時間の無いなか158cmサイズのバッグを買いに行くことになった。バッグがないと荷造りできない。

 さて、実際にバッグを見ていると小さい。ブレザーを入れるのにブレザーがシワシワになりそうだったが、昔(23年前)の同じサイズのサムソナイトと比べて奥行きがあるので荷物は余裕で収まった。感心したのは、158cmサイズだと日本のタクシーのトランクに二つのバッグが入ってトランクのフタもしっかり閉められることである。航空会社が158cmサイズ制限をするわけである。

 ただ、実際のチェックインの様子を見ていると、158cmサイズを超えそうな荷物をメジャーで測ったり、超過料金を払っている光景は、私の見渡した限り関空になかった。真面目にサイズ制限を守った私達は「正直者は馬鹿を見る」なのだろうか。

◎機中にて

 夕方(遅れて夜)から出発するフライトだし、疲れもあって機中でよく眠られた。アンカレッジ沖を越えたあたりから目が覚めてアニメ映画「カンフー・パンダ」を見たりしている間にバンクーバーに到着。

 到着後携帯の電源を入れたが、家内の携帯P903iが圏外。私の携帯P905iは通じた。空港設置のインターネット端末でDoCoMoサイトに接続して調べたら家内の携帯はカナダ各地に対応していないことがわかった。

 入国手続きはやはり厳重だった。前回カナダに来たときは泊まるホテルを訊かれて即座に答えられなかったのでホテルのリストが載った自作の旅程表を手許において入国審査に臨んだ。ところが今度は目的地までの航空券を見せろと言われた。e-ticket を見せると難なくパスしたが、入国目的は?行き先は?と英語で厳格に質問された。

 機中で入国カードを家族に一枚渡されるが、そのフォームが3年前の「地球の歩き方」とは違っていた。きっちり英文解釈して書いていたら1時間コースだから古い「地球の歩き方」を参考に勘を働かせながら書いた。要するに、農園に行くのかとか、大金を持っているのかという問いなどことごとく No にチェックをした。

 前回も経験したことであったし、今回も関空のチェックインで言われただが、バンクーバーからの乗り継ぎ便に荷物は転送されない。自分でターンテーブルから荷物を乗り換え用のベルトコンベアまで運ばなくてはならない。

 それらを難なくクリアしたが、金属探知機にまたひっかかった。時計、ベルト、鍵、小銭、携帯電話・・・すべてをトレイに乗せて行ったのにブザーが鳴る。あっメガネかと思ったがメガネではないらしい。どうも、靴が原因だったようだ。どうしてリーガルのウィングチップのウォーキング・シューズに金属反応? ともかく、靴をX線モニタに通すことで許してもらった。

 さて、カナダ国内線乗り場に移動したが、店が少ない。スターバックスとキッチンバーと本や土産物のお店くらい。こんなところで4時間も待たなくてはならない・・・。まあ、諦めて先述の家内の携帯電話がカナダで通話できるかどうかをしらべたり、カナダの生ビールをフィッシュ&チップスをつまみながら待った。終わってみるとそんな長い時間でもなかった。しかし、夜中の1時(5時間の遅れ)に中継地のトロントに到着予定。インド旅行では未明に到着して早朝出発というだけでホテルを利用したことがあるが、個人旅行では初めてだ。朝のフライトに間に合うよう起きられるだろうか、ホテルは予約をキャンセルしていないだろうか。

 夜中に到着するフライトにも関わらずバンクーバーからトロントへのフライトは満席だった。これだと、本当に予約が満席でこんな遅い便になったのかも知れない。いや多分、夜中のトロントからの連絡便に間に合わない旅客を優先したのだろう。私たちの乗り継ぎは8時間も余裕があったのだから。もしくは、乗り継ぎ客として勘定されていなかったのだろう。さて、この国内線は食べ物は有料だった。サンドイッチ程度のものしかないが食べる人はお金を払っていた。待ち合わせ中にフィッシュ&チップスを食べた私どもはもちろんパス。飲み物は無料で赤ワインを飲んで睡眠を取ることにした。

 トロントに着陸したのは未明の0:50頃だったが広い空港である、なかなか駐機場に達しない。あるいは滑走路から駐機場までに長時間停止しりした。そして駐機場のゲートから荷物受け取りのターンテーブルまでかなり歩かされた。運動量は気にならないが早くホテルで眠りたい。また、荷物受け取りのターンテーブルに到着してから荷物が実際に出てくるまで更に10分以上待たされた。いらいらしている白人の大男がターンテーブル脇1m手前で待っている私に荷物をぶつけたり、わざとぶつかったりしてきた。Excuse me ! を連発するが邪魔だからどけっ!と言わんばかりであるが、満員のターンテーブルの周囲では致し方ないことである。こんな教養や礼儀を知らない若者を相手にしても仕方ないが、これって人種差別的なもの、あるいは圧倒的な身長差や体力差で驕っているのだろう。驕れる者は久しからずだ。

 荷物を受け取ると、クレームタグとの照合もなく外へ出ることができた。空港内のシェラトンホテルを予約しているのだがホテルの場所がわからない。空港の案内地図をみてもわからない。窓から外を見ても近くにない。インフォメーションは夜中で誰もいない(24時間空港だったら一人くらい配置しておくべきである)。うろうろしていると家内が方面案内板にSheratonの文字をみつけた。その通り進んでいくと列車に乗れということらしい。えっ。料金を払わずに乗っても良いの?と思ったが、そのまま乗り込んだ。不安になったのはロンドンやベルリンなどで有料なのに乗車券の入り口で改札がない例があったからであった。乗り込んでみたらターミナル1からターミナル3への空港内移動であった。行き先は二つの駅があるが一つ目のターミナル3で降りるということは表示板でわかった。さて、客は私たちと白人の家族の2グループのみ。ともかくホームからエレベーターで降りた。そこでキョロキョロしているとホテル方面の出口をみつけた。そちらへ行くとすぐにホテルロビーだった。列車の駅とその階に連結されていた。

 さて、チェックインは簡単だった。丑三つ時の夜中なのに女性の職員が出てきて、私のラストネームを訊いてきてクレジットカードのチェックとサイン。1分ほどで部屋の鍵をわたされチェックイン終了。荷物を運ぶスタッフがいないのか、荷物を運ぶのに手伝いは必要かと訊かれた。コマ付きボストンバッグが一人一つと手荷物だけだから不要というと、あとは自分でエレベータへ。部屋は8階建ての7階である。階数が上ほど良い部屋なのだろうか。豪華な部屋だった。5時間しか滞在きないでのが勿体ない。飛行場が見える、少しマシな部屋をインターネットでオーダーしていた。

 ともかく風呂に入り、就寝したのは3時、眠られるのは3時間のみである。

◎旅程

14:10 関空着 カナダドル両替
 AC 036 関空17:25〜11:00 Vancouver (BC) 9 hr 35 mn
が遅延して20:00発になる
 AC 1166  Vancouver (BC)12:30〜19:59 Toronto 4 hr 32 mn
に載るはずが、AC36の遅延により
 AC132Vancouver (BC)17:30〜0:55 4 hr 25 mn
となる


時差 バンクーバーVancouver -16時間(8時間)サマータイム
時差 トロントToronto -13時間(11時間)サマータイム

2008/8/27 水

 夕べは未明の2時に到着して、朝の6時に目が覚めた。朝7時過ぎ(ホテル到着から5時間後)に出発してターミナル1へと向かう。チェックアウトは迅速だった。サインも必要ない。伝票を見せて鍵のカードを返却するだけ。

 3時間しか眠っていないが、風呂に入って、完全に眠れたことは心身を爽快にさせた。

 さて、列車でターミナル1に到着したがチェックインの仕方がわからない。そもそもどこに並ぶのか?。インフォメーションで訊くとアジア方面行きのチェックインカウンターに行けというが、これは私の示したe-ticketをみずにいい加減な返答をしたのであることにすぐ気づいた。

 エアカナダ国内線の黒人の女性スタッフに訊くと自動チェックイン装置にて自分でチェックインするように指示された。この端末がよくわからない。e-ticketのどの番号を入力するのかわからなかったし、アルファベットの入力に切り替える方法がわからなかった。たまたま英語で声をかけた女性スタッフが日本人だった。彼女が必要な英数字を入力をして、チェックインする荷物の数を入力し、チケットの出力、クレームタグの出力をしてくれた。そして、時間に余裕がないからと長蛇の列のチェックインカウンターの順番をショートカットさせてくれた。

 教訓であるが、たとえ国内線でも1時間半前にはチェックインの手続きをはじめないと混雑している時間帯だと余裕がない。また、エアカナダはe-ticketの発券といっしょにこの端末の使い方マニュアルを同封すべきである。すべて、自分で処理すると恐らく30分くらいかかったかも知れない。「地球の歩き方」などのガイドブックあるいはエアカナダのホームページにこの発券端末の使い方を掲載することが必要である。

 さて、セキュリティーチェックの金属探知機と手荷物のX線検査は厳しかった。カメラバッグを開けさせられ何かセンサーをあてられた。金属探知機はメガネ、ベルト、小銭、鍵、携帯電話、靴まで考え得る限り全てのものを預けても反応してボディーチェックを受けた。本当に血中のヘモグロビンの鉄分に反応しているのではなかろうか。

 機材はボンバルディアのプロペラ機とかわらないくらいの小さな機材●であった。飛行機に乗り込むのにかなりの坂を下った。スチュワーデスは一人のみ。座席にはマフィンやサンドイッチなどの有料メニューがあった。飛び立つ前に、その注文を伺っているようなスチュワーデスの動きがあったように思うが英語が聞き取れない。飲み物は無料だった。

 左側の席だったが。離陸すると右側に海みたいなオンタリオ湖が見えた。あの先にナイアガラ滝があるのだろうけれど、今回は見送った。8/1〜8/25まで無休の長時間勤務。体の疲れは寝たら治るが、精神的な疲れは限界に近かった。発狂の臨界といったら言い過ぎだろうか。ともかく、周遊旅行をする余裕はなく、むしろ滞在旅行で休養したかった。もちろん、ナイアガラ滝には後ろ髪を引かれる思いだった。

 左側の眼下にはトロントやその近郊の住宅地が広がった。夜中の照明を空から見ると何という大都市かと思ったが、日中に見るとそのほとんどの明かりは住宅地のものだったのである。

 1時間半ほど寝た。目が覚めると、左側眼下にプリンスエドワード島が見えた、ガイドブックで見覚えのあるプリンスエドワード島とニューブランズウィック州を結ぶ Confederation Bridge も見えた。赤茶けた海岸線と、赤土に染められた臨海部の海水、海岸線の低い断崖、島中所狭しと広がる農地や牧草地。やっとプリンスエドワード島に到着である。家内からプリンスエドワード島に行きたいと言われてから十数年やっとここにたどり着いた。

 来ようと思えば来られるけれど、直行直帰でも関空から往復6回も飛行機の乗り継ぎがある。そして、どうせこんな遠くまで来るなら、ニューヨーク、ボストン、ケベックなどに寄りたいという欲に駆られる。そうするとフライトは8回以上になり、旅行期間は延びる。8回以上のフライトだと1回くらい遅延やそれ以上のトラブルも十分予想される。実際今回は関空から遅延でつまずいた。今回、欲を捨ててプリンスエドワード島とケベックだけに絞ったことで実現したのかも知れない。
 飛行場に着陸したら、飛行機は案の定滑走路をUターンした。こんなのは敦煌の空港以来。州都であるが田舎である。タラップを降りて建物に入り、そこには小さな荷物用のターンテーブル。そして、20メートルほどのところにレンタカー会社4社のカウンター。家内が荷物を待っている間に、レンタカーのチェックアウトができた。

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